マイクロ波、すなわち周波数が300MHz(メガヘルツ:100万ヘルツ)~300GHz(ギガヘルツ:10億ヘルツ)の電磁波で満たされたキャビティー(マイクロ波を閉じ込める空洞容器)内を、リュードベリ原子を通過させることで、光と原子の準位の重なり具合とキャビティー内に存在する光子数を外部から制御する量子技術。リュードベリ原子(Rydberg atom)とは、原子の周りを回る電子のエネルギーを、その周回から飛び出してしまわない程度に励起することで得られる、電子が安定して公転しているような状態になった原子のことである。マクロなキャビティー内での状態の重なった状態を実現したことに対応するので、シュレーディンガーの猫(致死確率50%の箱の中に入れた猫の生死が、量子力学の重ね合わせになぞらえられるかを考えた思考実験)の生死(マクロな状態)の重なりを実現したともいえる。この技術を開発したS.アロシュに対して、2012年のノーベル物理学賞が授与された。