原子を構成する原子核は、陽子と中性子が核力によって結合してできている。その結合エネルギーは陽子の数が2、8、20、28、50、82のとき、中性子の数が2、8、20、28、50、82、126のとき、ほかの場合と比較して大きくなる。この数を魔法数という。これらの数の陽子や中性子の原子核は安定であって、天然に多く存在し、、などがその例である。He、Ne、Arなどの希ガスの化学的安定性は電子の閉殻構造によって説明されるが、それと同様に、陽子、中性子の殻構造(shell structure)によって魔法数が説明されている。魔法数は原子核の安定な構造を決定するのに重要なもので、陽子の魔法数114に対応する原子番号114番の超重元素(superheavy element)が安定に存在するという予測が以前からなされていた。最近、陽子に比べて中性子の多いエキゾチック核(exotic nuclei)と呼ばれる原子核について、中性子の新しい魔法数6、16、30、32が見つけられた。ごく最近理化学研究所でパラジウムの新たな同位元素が発見された。