物質は温度と圧力により固体(solid 固相)、液体(liquid 液相)、気体(gas 気相)の三つの状態をとる。固体と液体はどちらも分子間力によって分子が凝集した状態であるが、固体では分子の平均位置と配向が固定されており、液体には流動性がある。気体は分子が分子間力に打ち勝ってばらばらになった状態である。水は1気圧のもと0℃以下では固体(氷)であり、100℃以上で気体(水蒸気)となる。水は室温でも水面から蒸発(evaporation)していて、その水蒸気の一部がまた水に戻り、水と平衡状態となる。このときの水蒸気の圧力を蒸気圧(vapor pressure)という。蒸気圧は温度の上昇に伴って上昇、大気圧に達すると液体の内部からも蒸発し、沸騰(boiling)する。このときの温度を沸点(boiling point)という。水の沸点は1気圧ではおよそ100℃であるが、圧力鍋の中に見られるように圧力を高くすると、より高温で沸騰する。温度をどんどん上げていくと、分子の運動が激しくなって、どんなに圧力をかけても液化(liquefaction)しなくなる。この温度を臨界温度(critical temperature)という。一方、水を冷やしていくと氷になる。液体が固体になることを凝固(solidification)といい、固体が融けて液体になることを融解(fusion)という。ドライアイス(固体二酸化炭素)は液体を経ずに直接気体になるが、これを昇華(sublimation)といい、逆に気体が固体になることも昇華という。