化学反応は通常10fs(フェムト秒 fは10-15=1000兆分の1)から100fsの速さで進む。近年に開発された超短パルスレーザー光(ultrashort pulse laser)を用いると、反応の遷移状態、反応している分子の振動、有機高分子の構造変化をリアルタイムで観測できる。最近、フェムト秒レーザーを光源とする偏光制御顕微法によって、細胞や液晶分子内での分子の向きが分かる技術が報告された。現在ではさらに短いパルス幅のレーザー光を用いるため、アト秒科学 (atto-second science アト=aは10-18=100京分の1)が世界的に注目を集めている。