自分自身は最終的には変化しないが、反応物を活性化させて化学反応を促進させ、すみやかに化学平衡に到達させるものである。しかし、平衡の位置を変えるものではない。化学工業は新しい触媒の発見によって次々発展してきたが、メタンをガソリンに変える機能をもつゼオライトのように、特定の化学反応を選択的に起こさせる機能性触媒(functional catalyst)が注目されている。最近、一つの錯体触媒が複数の一連の反応を連続して進行させるタンデム触媒(tandem catalyst)も開発された。触媒は溶液中で反応物と均一に混ざって作用する均一系触媒(homogeneous catalyst)とハーバー法にみられるような鉄や水素分子を触媒活性化する白金などの不均一系触媒(固体触媒 heterogeneous catalyst)に分類される。