超強酸とは100%の硫酸よりも強い酸のことである。五フッ化アンチモン(SbF5)とフッ化硫酸(FSO3H)との混合物は、その一例であり、100%の硫酸の100万倍も強い酸である。最近、さらに強いH(CHB11C11)が報告された。このような超強酸は魔法の酸(magic acid)とも呼ばれ、普通の条件では反応しないロウソクなどの飽和炭化水素すら溶かしてしまうほどである。この性質は有機化学反応に利用され、その触媒作用が注目された。その後、酸化ジルコニウム(ZrO2)や二酸化チタン(TiO2)に硫酸を添加して加熱処理された固体超強酸がみつけられ、有機物のアルキル化、異性化、エステル化などの触媒として注目されている。