水素ガス(H2)は燃料電池によって容易に電気に変えられる利点がある。しかも、電気と違い貯蔵が可能で、輸送もしやすい。また、直接燃料とすれば高温を得られるし、適当な触媒を用いれば有害な窒素酸化物を発生させずに燃焼させられる。いずれの場合であっても水素ガスは水として排出され、二酸化炭素などの温室効果ガスも出さない。現在、水素ガスは化石燃料の炭化水素(CnHm)の改質によって製造されているが、無尽蔵の水素資源である水(H2O)の分解による方法をはじめ、バイオマス(biomass 植物起源の有機物資源、生ごみ、廃材など)を加圧下高温で熱分解する方法なども考えられている。発展が期待される水の分解による方法には、(1)電気分解、(2)2000℃以上の高温での熱分解、(3)太陽光を利用した光分解、(4)光電気化学的な電池を利用した電気分解、などが試みられている。