組み合わせ化学と訳されるが、コンビケムと略称するすることも多い。構造的に関連はあるものの、少しずつ違う化合物を短時間で多種類、しかも系統的につくりだし、構造決定し、機能を検定できる技術。例えば、それぞれごく少量の30種類のあるタイプの化合物と、30種類の別のタイプの化合物との900通りの組み合わせの反応を同時に行い、処理する。反応物の一方を樹脂に固定し、そのまま反応・精製を行う固相有機合成の手法を用いるので、単離精製の必要がなく、現在では創薬の分野だけでなく、材料工学や触媒化学の分野においても応用されている。ただし一般的に合成可能な量はμmol(マイクロモル μは10-6=100万分の1)ないしpmol(ピコモル pは10-12=1兆分の1)の範囲であり、実用的な合成には用いられない(1molの物質に含まれる分子や原子の量はアボガドロ定数〈Avogadro's constant〉個≒6.02×1023乗個)。