化学生物学。生化学が生命現象を、化学物質を基盤として解明しようとする、基本的に化学に根ざした学問領域であるのに対して、ケミカルバイオロジーは化学的観点から生命現象を解明しようとする、基本的に生物学に根ざした新しい学問領域で、21世紀の生命科学の基盤となる可能性を持っている。具体的にはDNA、RNA、たんぱく質などと特異的に相互作用する低分子をプローブとして、生体高分子の機能の解明を目指す。この枠の中で、分子イメージング(molecule imaging)とケミカルジェネティクス(chemical genetics 遺伝子の変異の代わりに種々の化合物を添加して反応を見る)が現在精力的に研究されている。