ゴムにカーボンナノチューブを混合して得られる物質は電導性を示すが、電導性を高めるためにカーボンナノチューブの量を増やすと、得られる材料が硬化してしまうなどの難点があった。最近、カーボンナノチューブをイオン液体で溶きほぐし、それと含フッ素強重合ポリマーと混合して得られたゴム状物質は、従来の導電性ゴムの500倍以上もの電導性を示す伸縮可能な導電性材料(elastic conducting material)となった。また、薄膜の状態で40%程度引き伸ばしても電導性の劣化がみられず、加工してネット構造にすると、130%ほどまで引き伸ばせた。この新材料を有機トランジスタ集積回路の配線に用いると、伸縮自在の集積回路シートが得られる。ロボットの関節のような機械の可動部分への応用も期待される。