量子ドットと呼ばれる、電子を閉じ込める性質をもつ直径数十nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)の微小な半導体粒子に光を当てて電子を放出させ、それに接触している酸化チタン(TiO2)などのn型半導体に電子を送り込み、電極へと導く太陽電池。現在、研究段階であるが、理論変換効率(conversion efficiency 太陽光を電気に変換する効率)は60%と予測されており、次世代あるいは次次世代の太陽電池として期待されている。この型の太陽電池は光の透過損失や熱エネルギー損失を防ぐことができ、太陽光に含まれているさまざまな波長の光を有効に利用できるので、高い変換効率が望める。2009年4月には、電気通信大学の豊田太郎教授らが量子ドットにCdS(硫化カドミウム)などを用い、変換効率3.8%が実現された。さらに、同年7月には、シャープと東京大学先端研究センターの岡田至崇(よしたか)准教授らが、最高変換効率となる16.1%を達成する試作品の開発を発表した。