化学反応が進行する速度。具体的には、通常は単位時間当たりの反応物の濃度の減少量または生成物の濃度の増加量のこと。濃度のべき関数(濃度の2乗、3乗など)と速度定数(rate constant)の積で表す。反応速度がただ1種類の反応物の濃度で決まる反応を一次反応(first order reaction)、2種類の反応物の濃度で決まる反応を二次反応(second order reaction)という。放射性元素の壊変、たとえばラジウムが放射能を出しながら別の元素に変化する現象は一次反応、水素とヨウ素との反応でヨウ化水素が生じる反応H2+I2→2HIは二次反応である。この型の反応の多くは二分子間の衝突によって起こり、これを衝突説(collision theory)という。しかし、多くの反応は単一の過程で起こるのではなく、複数の反応過程を経由する逐次反応である。この場合、測定される反応速度を決めるのは、最も遅い反応過程、すなわち律速段階(rate-determining step)である。爆発にともなう化学反応は反応速度が著しく大きいのに対して、鉄がさびる反応の速度は極めて遅い。一般に反応温度(reaction temperature)を上げると反応速度も大きくなる。触媒(catalyst)を反応系に加えると、反応の前後でそれ自体は変化しないが、 反応速度を変える効果を示す。