水素伝達系ともいい、細胞内の呼吸作用で生じた電子(水素)が、階段を下りていくように次々とフラビン酵素やシトクロム(チトクローム)群を経て、酸素に渡され、水が生成する過程をいう。解糖系や呼吸のクエン酸回路で生じた水素は補酵素(NADなど)と結合し、この系に伝達される。そのとき、水素が陽子と電子になり、電子として渡されるので、この名が付けられた。この系は1個のフラビン酵素、補酵素Q、5種のシトクロムから成り、それらを電子が通過する間に、徐々に低いエネルギー状態になる。そのとき出るエネルギーを用いて、ATPが形成される。電子伝達系はミトコンドリアの内膜や葉緑体内の膜系にある。