大脳の表面に近く、ニューロンの細胞体が集まった部分。その色から大脳の灰白質ともいわれ、内側には軸索が集まった髄質(白質)がある。脳で最も高度の統合作用が行われている場所である。大脳皮質は層構造の違いや統合作用の性質の違いにより、古い皮質と新皮質に大別され、古い皮質は旧皮質と古皮質に分けられる。本能的な行動などは古い皮質に支配され、学習や知能などは新皮質に支配される。ヒトの脳では、新皮質が最も発達していて、大脳表面の大部分を覆っている。大脳皮質には、部分により、感覚・言語・運動・記憶・判断・創造などを支配する中枢がある。また、表面にある大きな溝をもとにして、前頭葉・頭頂葉・側頭葉・後頭葉の四部分に分けられる。ヒトの大脳では、意欲・創造などを支配する中枢がある前頭葉が著しく発達している。