壊死(えし)ともいい、広義には生体の一部である器官・組織・細胞の死をいうが、狭義には病的な細胞死をいう。細胞死にはその形態から2種類あり、細胞が縮小するアポトーシスと、細胞が最初に膨大化するネクローシスに分けられる。動物体のネクローシスは、原因・組織の種類・周囲の状況により、凝固壊死(組織が凝固した状態で死ぬ)、融解壊死(組織が液状になる)、壊疽(えそ gangrene 壊死した組織が外界と接して変色する)などとよばれる状態になる。植物体でも、部分的にネクローシスを起こして、他の健全な部分への病原体の侵入を防ぐことが多い。