ある一定の時間と空間に生活している個体の全体をいい、ふつうは同種について(同種個体群)いうが、広義には異種も含める(異種個体群)こともある。個体群は、生物、特に動物の集団を調べる単位となる。生物の集団を調べる際には、一定の面積にどの種類の生物がいくつ生活しているかが問題になる。一定の面積あるいは時間内に存在する個体数を個体群密度(population density)という。動物によっては、個体群密度の違いによって、形態や行動に大きな違いが生じる場合がある。俗に「イナゴの大群」といわれるトビバッタの場合には、個体群密度が高くなると、体が大きく、行動が落ち着かなくなり、大群をなして移動する状態になるが、密度が低いときは集団行動はしない。