C2H4の化学式の気体で、植物ホルモンの一種である。照明や暖房に石炭ガスを用いる温室で、植物に異常な形態をもつものが現れることの原因として、石炭ガス中の微量のエチレンが作用していることが明らかにされ、この物質が注目されるようになった。その後、アボカド、バナナ、イチジクなどの果実が成熟の特定の期間に急に呼吸が上昇し、これを機に果実は食べ頃に成熟することがわかった。この呼吸の上昇の原因もエチレンによることが明らかになった。このようにエチレンは果実の成熟の促進のほかにも、落葉の促進、茎の伸長や開花の阻害にも働くことがわかった。