アメリカのカリフォルニア州東部にある、塩分が濃くアルカリ性で、猛毒のヒ素の濃度が高いモノ湖から、アメリカ航空宇宙局(NASA)の研究者らが発見した細菌。通常の細菌ではリンが不可欠であるが、この細菌はリンの代わりにヒ素を含んでいる。細胞内のヒ素の動きを追うなどして、リンの代わりにヒ素を用いているらしいことがわかった。ヒ素は周期表でリンと同族であるが、デオキシリボ核酸(DNA)の成分としてリンと同じように働くかは疑問がもたれていた。2012年7月になって、アメリカとスイス、それぞれの国際研究チームが、この結果を否定し、やはりリンが含まれているという報告を、アメリカの科学誌「サイエンス(電子版)」に発表した。