中国の民俗宗教。2世紀の太平道・五斗米道(天師道)を源流とし、5世紀に北魏の寇謙之が新天師道を形成して、道教が確立された。神仙思想と道家(老荘)思想を中心にして、陰陽五行説・易・卜占・風水・医術・養生術、儒教や後漢末に伝来した仏教思想・儀礼などを取り入れ、不老不死の神仙になることを求め、宇宙の根本原理を道(タオ)とする教えである。呼吸の調整、断穀による長寿法、不老不死の薬(金丹)の作製法も説く。
黄帝(伝説上の帝王)や老子を神格化し、永生の神仙が住む蓬莱山(ほうらいさん)などの仙境を理想郷とする。道教の僧を道士、寺院を道観という。日本には7世紀後半頃に道教の神仙思想や儀礼、修行法が伝えられ、陰陽道(おんみょうどう)や修験道の発生・成立に大きな影響を及ぼした。