紀元前7~前6世紀ごろ、ゾロアスター(ザラスシュトラ、ツァラトゥストラ)がイラン北東部で開いた宗教。主神アフラ・マズダの名からマズダ教、聖火を崇拝するところから拝火教とも呼ばれる。中国では5世紀ごろ伝わり、「教(けんきょう)」と称された。教義では、アフラ・マズダを最高神とし、その下の善霊(スパンタ・マンユ)と悪霊(アンラ・マンユ、中期ペルシャ語ではアーリマン)が闘い、信者は自由意思で善と悪、光明と暗黒のいずれかを選択し、この世の完成か破壊かに向かう戦闘に加わる。この終末論的な教えはユダヤ教やキリスト教に影響を及ぼしたとされる。ササン朝ペルシャの国教にもなったが、イスラム教の台頭によって衰え、10世紀以降信者はインドに移住し、パーシーと呼ばれている。