2009年4月、「第108回文学界新人賞」を受賞したイラン人の女性作家。日本に留学に来て、日本語による小説を書くようになった。受賞作品は「白い紙」で、イラン・イラク戦争下のイランの地方都市で生活する女子中学生が、同じクラスの男子生徒に淡い恋心を持つ話。しかし、戦争の激化が、そうした初恋や将来の夢を壊すことになる。日本語を母語としない外国人で、漢字文化圏、欧米文化圏でもない、イスラム文化圏出身者の文学新人賞の受賞は初めてであり、一躍、話題の人となった。「白い紙」は芥川賞候補となったが、受賞には至らなかった。すでに06年12月「留学生文学賞」大賞を「サラム」という作品で受賞しており、09年8月に文藝春秋からその2作をまとめた作品集「白い紙/サラム」が刊行された。