作家の石田衣良が「永遠の0(ゼロ)」(2006年)など百田尚樹による一連の作品をはじめ、旧日本軍や自衛隊を好意的に描く作品が近年増えているとして造語した。「愛国エンタメ」とも言う。作者の立場はさまざまだが、福井晴敏の「亡国のイージス」(1999年)や「終戦のローレライ」(2002年)などを嚆矢(こうし)として、有川浩の「空の中」(04年)や「空飛ぶ広報室」(12年)などの一連の自衛隊員が活躍するシリーズものや、福田和代による自衛隊の音楽隊の物語である「碧空のカノン(あおぞらのカノン)」(13年)などが、それらに含まれる。一般に安倍政権の右傾化、軍国主義化や、「自衛隊の歌姫」の活躍などと同調した動きと考えられている。(→「自衛隊小説」)