「うつ」とは、気分の落ち込んだ状態の俗称。また、「うつ病」とは、きわめて強い気分の落ち込みを主症状とする精神疾患で、その状態からの自然な回復が難しいものを指す。うつ病の症状としては抑うつ気分、興味や喜びの喪失のほか、不眠または過剰睡眠、気力減退、罪責感、自殺企図などがみられる。アメリカ精神医学会(APA)発行のDSM-4(精神疾患の分類と診断の手引き、第4版)は、気分の浮き沈みについての障害を気分障害(mood disorder)と命名し、うつ病性障害(depressive disorder)と双極性障害(bipolar disorder)の2種に大別した。前者が「うつ病」、後者が「そううつ病」に相当する。さらにDSM-4では、うつ病性障害および双極性障害を、症状の程度や持続期間により、それぞれ三つのカテゴリーに下位分類している。