不眠症とは睡眠障害のうち、眠れないことを主症状とする疾患のこと。入眠困難(なかなか眠れない)、中途覚醒(途中で目が覚める)、早朝覚醒(もっと眠りたいのに朝早く目が覚めてしまう)の症状があるが原因はさまざまである。気分障害や不安障害、ストレス関連障害などの精神障害に起因するものもある。約1万人を対象とした2002年7月の全国調査によると日本人の半数に不眠症の疑いがあり、自覚症状のない「潜在的不眠症」が全体の3割に上ることが判明した。日ごろ抱える不安やストレスの解消、生活習慣の修正、身体疾患(かゆみ、痛みなど)の治療が必要である。治療法としては、(1)薬物療法、(2)睡眠環境(寝具、照明など)の制御、(3)行動療法(睡眠日誌によるセルフモニタリング法、リラクセーション・自律訓練法などの筋弛緩法)、(4)高照度光療法(2500~10000ルクスの光を照射)などがある。