1990年代に日本に紹介され、高齢者などの福祉施設で導入されつつある、草花の世話をすることを通して、心身の機能を高めることを目的とした療法のこと。園芸療法の利点には、体を動かすことと、土を触ること、育てる草花の色や形や香りも多彩なため、複数の感覚モダリティ(sensory modality)、すなわち視覚、嗅覚、皮膚感覚(触覚、痛覚、温覚、冷覚)が刺激され、活性化することなどがある。また、世話をすることにより、植物が日々成長すれば、自分が役に立っているという感覚の自己効力(self-efficacy)や、収穫の際の達成感も高まり、さらに植物を媒介とした人とのコミュニケーションが活性化すると考えられる。