心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外される(日本心身医学会 1991年)。心理社会的因子とは基本的にはストレスのことで、心身症はストレスによって特定の器官に固定的に現れる「心身相関の病態」であり、消化性潰瘍(かいよう)、本態性高血圧、気管支ぜんそく、過敏性腸症候群などはその代表的なものとされている。治療には身体的治療のほかに抗不安薬などによる薬物療法、自律訓練法、認知行動療法、家族療法、バイオフィードバック法などの心理療法、漢方薬などの東洋医学、さらには絶食療法などがある。