パーソナリティーの特徴に偏りがありすぎるため、当人が悩み、周囲が苦しみ、社会適応に支障をきたすという精神障害の一種のこと。アメリカ精神医学会(APA)のDSM-4-TR(Text Revision of the DSM-IV 精神疾患の分類と診断の手引き、第4版修正版)によれば、(1)認知の偏りがある、(2)不安や攻撃性などの感情の制御がうまくいかない、(3)適切な対人関係が結べない、(4)衝動を抑えることができない、のうち2つ以上の症状が、青年期から持続的にみられる障害とされる。ドイツの精神医学者シュナイダー(Kurt Schneider, 1887-1967)の異常人格(abnormal personality)が、パーソナリティー障害の概念の基礎となっている。DSM-4-TRによるとパーソナリティー障害は、3カテゴリー、10タイプ(A群:妄想性、統合失調質、統合失調型、B群:反社会性、境界性、演技性、自己愛性、C群:回避性、依存性、強迫性)に分類される。合併診断も多い。子どもの発達障害(developmental disorder)のうち、行為障害は反社会性パーソナリティー障害に、反応性愛着障害は境界性パーソナリティー障害に移行しやすいと指摘されている。