ある特定の刺激を病的に渇望し、それに依存する傾向のこと。WHO(世界保健機関)の定義によれば、依存症とは、精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める耐えがたい欲求が生じ、その刺激を追い求める行為が優勢となり、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる、精神的・身体的・行動的状態のこと。依存症は、(1)物質依存、(2)行為・過程依存、(3)ある特定の人物に依存する関係依存、に大別される。物質依存には、精神刺激薬、抗精神病薬等の治療薬、アルコール、ニコチン、カフェインなどの依存がある。行為・過程依存には、買い物依存、ギャンブル依存、セックス依存、最近では、携帯電話・スマートフォン、ゲーム機、インターネット、テレビゲームへの依存がある。関係依存には、共依存(人に必要とされることに依存)がある。嗜癖とはいわゆる「ハマること」全般を指す、社会学的用語である。依存症からの回復には、医学的治療と、認知行動療法を基本にした心理学的治療、さらに患者および家族が参加する自助グループが、一般的に用いられている。回復状態を維持することが最終的な治療目標となる。