母親以外(allo-)による養育行動(mothering)のこと。社会が子どもを育てるという考え方は昔からあったが、男女共同参画社会の発展をうけて、アロマザリングの効用が見直されている。具体的には、父親、祖父母、姉や兄などの身内から、ご近所、お母さん仲間、さらには保育園、幼稚園の子育ての専門家、ベビーシッターなどが子育てを分担することで、母親が子育てを一人で担うことの負荷を緩和し、育児を楽しめることに貢献すると考えられる。伝統的な愛着理論では、母親と子どもの間に結ばれる情緒的絆を愛着(attachment)と呼んでいるが、アロマザリングには子どもが複数の人との愛着を形成できるプラスの側面があると考えられる。同様に、子どもが愛着形成した相手との分離不安を示す現象においても、今後は母親のみならず、父親や祖父母などのアロマザーがその対象に入るであろう。