文部科学相の諮問機関「文化審議会国語分科会」は2005年(平成17)、常用漢字表を含む漢字政策の抜本的見直しを提案した。1981年制定の常用漢字表(1945字)は「社会生活で使用する漢字の目安」とされ、高校修了までに読み書きできることが期待されている。しかし、パソコンなどの普及で、目にする漢字の数が増えている。事実、パソコンなどに使われるJIS(日本エ業規格)漢字は6000字を超え、近い将来1万字を超えるとみられる。同時に、パソコンに頼るため、書くことのできる字は減少しているともいわれる。分科会ではこれを踏まえて、常用漢字表の枠組みそのものと、その内容を検討している。分科会は、2008年1月、「阪」「奈」「熊」など、都道府県名に使われている11字を新たに常用漢字に加えることを承認。10年、現行の1945字から、5字が外され、新たに196字が追加された2136字の「改定常用漢字表」を制定した。