イギリスの考古学者ホッダー(Ian Hodder)が1980年代に始めた象徴考古学に端を発する学派。そのプロセス考古学に対する主な批判点は、説明原理が経済的要因に偏りすぎていること、考古学情報の特定の型が特定の社会現象と対応するとは限らないという点にある。また考古学の型式は社会の規範によって生じたのではなく、諸個人が自らの目的を実現するための意味(シンボル・象徴)を込めて生み出したものであるとした。その具体的な研究法は、プロセス考古学の延長線上にあるが、種々の意味を読み取る方法として空間考古学を特に重視する。その解釈は、世界的比較よりも地域の歴史伝統を重視し、さまざまな情報の相互関係・コンテクストから蓋然性が最も高い結論を導くことが基本である。この刺激は、プロセス考古学に認知考古学の発展をもたらし、現在、プロセス考古学とポスト・プロセス考古学の違いは縮小傾向にある。