先史/先文献時代1。約9万年前~1万2000年前。日本列島における、ヨーロッパの旧石器時代にほぼ相当する時代。ただしヨーロッパの中期石器時代に相当する段階(約13万年前~約3万年余り前)の遺跡の確認例は少なく、日本列島における人類の出現期とその生活の確認は今後の課題である。現代よりも寒冷な気候が主であった環境において、石器を主な道具として、食用植物採集と動物狩猟を基礎とする生活を営んでいた。ヨーロッパ後期旧石器時代に相当する石器様式の段階(約3万年余り前~1万2000年前)には、多くの遺跡が推移した。この時期の集団の基本的な社会単位は、バンドと呼ばれるような数十人程度の集団であり、一定の地域において一定のサイクルをもつ遊動生活を送ることが多かった。ただし、遺跡の数が多い関東地方などでは、拠点的で大型の集落を営むことがあった。