歴史/文献時代1。6世紀末~12世紀初。日本古代国家(律令国家)の時代である。中国に隋(589~618)・唐(618~907)帝国が成立すると、東アジアの中で再び大きな力をもつようになった。そのため中国周辺諸国は、隋唐と戦争をしたり外交関係を結んだりしたが、それにとどまらず中国の律令制度を採用して中央集権的な国家体制を整えることが多かった。倭国から日本律令国家への転換もその一例であり、「日本」の国名や「天皇」の名称もこの時代に始まった。6世紀末~7世紀初め頃に、前方後円墳の築造を終了して、大和飛鳥の地(奈良県明日香村)に恒久的な宮殿・寺院・祭祀場・陵墓を営んだこと、また遣隋使・遣唐使を派遣したことなどを端緒として、日本の古代国家形成が進んだ。平安時代前期(9世紀)を境として、唐帝国の衰退にあわせるように律令制は性質を変えていく。貴族や寺社の力が強まって官僚制度が形式的なものになり、各地で中央の有力者と結びついて荘園開発を行う者が増加していった。