グスクは、日本列島中央部の中世にほぼ相当する時期に、沖縄諸島を中心として築造が盛んになった城館である。丘陵先端部や独立丘陵などに設置して石塁で防御するが、その出現は古代にさかのぼる可能性もある。グスクは支配層(按司)の軍事・宗教的な拠点と推定され、軍事的緊張が強まる中で社会統合が進み、1429年に琉球王朝が成立した。その首都を首里城(沖縄県那覇市)に置き、壮麗な施設を整えた。琉球王朝は、中国・朝鮮・日本と巧みな外交関係を結んで活発な中継交易を行い、グスク時代の沖縄諸島からは豊富な中国製陶磁器が発見される。