中国陝西省西安市臨潼区新豊にある600基余りからなる戦国時代(紀元前5世紀~同220年)から秦時代(紀元前221~同206年)を中心とする秦墓群。陝西省考古研究所と臨潼区文物管理委員会が400基余りを調査した。秦墓の多くは縦穴洞室墓(縦坑の底に洞穴状の墓室を取り付ける墓)に遺体を屈肢葬(体を曲げた状態で埋葬する)で納めるという秦特有の墓形式であり、中原地帯に多い縦穴土坑墓・直肢葬のものも存在した。礼器(中国の祭祀の道具。青銅製と陶製がある)を納める中小貴族墓と、日常品のみを納める平民墓とからなる。本調査は、中国に最初の統一王朝を打ち立てた秦の伝統的文化と、秦始皇帝陵の建設に動員された人々について多くの情報を提供した。