黒耀石とも記述する。流紋岩質マグマが水中などの条件で噴出してできるガラス質の火山岩であり、二酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどからなる。破片は鋭く、手術用メスとして用いることもあるほどである。色は黒、茶、あるいは半透明で光り輝く特色をもつ。このような性質から、先史時代以後、世界で広く黒曜石を石器として用い、石材や完成品が交易品となった。その用途は大多数がナイフであり、鏡や容器として用いる場合もあったが、鉄の道具が普及するとその使用は減少した。日本列島にも多くの黒耀石産地があるが、北海道白滝、長野県和田峠・霧ヶ峰、伊豆諸島神津島、大分県姫島などは産出量も多く、先史時代人が盛んに利用した。