島根県出雲市高岡町にある中世の遺跡。中世の豪族、塩冶氏(えんやし)とかかわる居館であった可能性が高い。島根県埋蔵文化財調査センターが調査して、多数の掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)や穴を見つけた。穴の一つからは室町時代後半(15世紀中ごろ~16世紀初頭)とみられる将棋盤が一つ、他の穴からは将棋の駒が二つ見つかっている。将棋盤はスギを使ったものであり、9升の升目のものである。同じ穴からは永正3年(1506年)の年号を記した木簡(文字を書いた板)も見つかった。これまで将棋の駒は発掘で400枚程度見つかっているが、中世の将棋盤の発見は初めてであり、現在、最古となる将棋盤である。