静岡県牧之原市坂部にある中世の遺跡。牧之原市教育委員会が調査して、柱が2間×7間で四方に廂(ひさし)がある大型建物を中心とする掘立柱建物群、幅約3.5メートルの大溝、大溝にかけた橋脚、墓、六角卒塔婆・呪符木簡をはじめとする多様な木器、陶磁器などが見つかった。元興寺文化財研究所が、大溝から見つかった卒塔婆の赤外線撮影をおこなった結果、これが6面のうち5面に梵字(ぼんじ)などを墨書きしたものであることがわかった。年代は平安末期から鎌倉時代初期(12世紀後半~13世紀前半)であり、本例が最古の墨書六角卒塔婆(ぼくしょろっかくそとば)となる。