福岡県太宰府市国分にある弥生時代~古代の遺跡。大宰府政庁の北西、筑前国分寺と同国分尼寺の間にある河川跡から最古の戸籍木簡が見つかった。この木簡は「嶋評」(しまのこおり、行政区画)、「進大弐」(しんだいに、官位)の表記などから大宝律令(701年施行)以前のものであり、飛鳥浄御原令の制定(689年)を受けて作成された戸籍である庚寅年籍(こういんねんじゃく)とかかわるものと推定されている。人名・続柄・移動などが記されていることから、6年ごとに作成する戸籍を補完するために毎年作成した計帳(けいちょう)にあたるものである可能性が高い。庚寅年籍は現存しておらず、本例は古代社会を考える第一級の資料である。