湖沼・河川・海などに水没した遺跡、あるいは遺物(沈没船やその積荷など)を研究対象とする考古学。海を中心とする場合には海洋考古学とも呼ぶ。古くから、沈没船やその積荷(財宝)探しは広く行われていたが、フランスの海洋考古学者ジャック=イブ・クストー (Jacques-Yves Cousteau 1910~97) らがスキューバ(自給式水中呼吸装置、商品名はアクアラング)を考案して以後、水中での本格的な考古学調査が可能となった。現在では、水中記録用の鉄製グリッド、視界確保用の泥吸引ホース、取りあげ遺物の吸引ホース、水中カメラなどを使用することにより、陸上考古学と変わらないレベルの調査ができるようになり、沈没船や水没遺跡についての多くの調査成果が得られている。