ロシアの南ウラル山脈におけるフィリポフカ王墓1が、2013年の発掘調査で、豪華なサルマタイの墓であることがわかった。サルマタイは、文字の記録を残していないが、紀元前1000年紀にユーラシアの草原地帯で栄えた遊牧民である。紀元前4~5世紀のこの墓室は、平面が4メートル×5メートルで、女性と推定される1体が葬られていた。動物紋を象嵌(ぞうがん)した銀鏡、金の胸飾り、一式のガラス器・銀器・陶器、革製品、馬の歯を含む1000点以上の副葬品がみつかっている。衣服は上着、ズボン、スカーフがあり、花やロゼット(植物)やアンテロープ(ウシ科の動物)に振り向くヒョウなどの図柄を表した飾り板と395点の金葉で飾られていた。また七宝で飾った鋳金の耳飾りが側頭骨の近くからみつかり、入れ墨の道具も発見されている。