「チェケラッチョ!!」(宮本理江子監督 2006年)、「天国からのエール」(熊澤誓人監督 11年)、ご当地変身ヒーローもの「琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ」(佐野智樹監督 11年)といった、沖縄でロケ撮影をした作品が近年少なくない。沖縄の中学生が監督したことで有名になった「やぎの冒険」(10年)も全国で上映された。沖縄が舞台となると、キジムナー、シーサーといった伝統的なキャラクターが登場し、沖縄の言葉が入り、きれいな海、やさしい人情が都会で傷つき、疲れた人の心を癒やすという作品が多い。こうした癒やし系の作品は沖縄県外の人が作るものに多く、沖縄の人の作品には、自分自身を戯画化したものもある。沖縄のロケ撮影が増えた背景の一つとして、03年設立のロケ支援や国内外向けプロモーション業務を行う沖縄フィルムオフィスがある。今までに映画、ドラマ、バラエティー、CM等を含めた約680本を支援してきた。映画ロケは製作スタッフが大人数で長期間滞在するので経済効果は大きく、観光にも人を呼び込めることから、沖縄県知事自らトップセールスを行うこともある。また、コメディー作品を中心に上映する沖縄国際映画祭が09年から始まり、12年3月で第4回を数える。吉本興業が協賛し、同社所属タレントが監督・出演する作品が多数上映される。