イタリアの劇作家(1707~93)。18世紀ヨーロッパで最も演劇やオペラが盛んだったヴェネチアに生まれ、歌劇台本も含め200以上の多様な劇作品を残した。衰退するコンメディア・デッラルテに代わり、フランス古典喜劇をモデルとしつつ、仮面や即興を廃して、現実社会を写した自然で多様な性格の人物が巧みに絡む喜劇を多数書いて「演劇改革」を進めた。ヴェネチア方言を用いて、庶民の気質や生活を活写した作品も人気がある。代表作に「宿屋の女主人」「コーヒー店」「別荘三部作」など。2007年には生誕300年を記念して、日本でも「ゴルドーニ喜劇集」(齊藤泰弘訳 名古屋大学出版会)の刊行や国際シンポジウムがあった。