池田理代子作の漫画を、1974年に宝塚歌劇団が初めて舞台化。以後各組で上演を重ね、同劇団の代表的演目の一つになった。フランス革命を背景にした波乱に富んだストーリー、複雑に絡み合う人間関係と恋愛感情、宮廷や軍隊を舞台とした華やかなコスチューム、男装の麗人オスカルを始めとする王妃マリー・アントワネット、フェルゼン、アンドレなど多くの魅力的な登場人物といった要素は、男役を中心とした独特の演技と歌・踊りの技術に裏打ちされた宝塚に打ってつけで、上演される度に話題を呼び、社会的認知度の向上に寄与した。2006年の星組と雪組での公演では、それぞれ通算の上演回数1500回、観客動員数400万人を達成した。さらに08年には、本来は脇役のジェローデル、アラン、ベルナールを主人公とした「外伝 ベルサイユのばら」を制作し、09年には花組大劇場公演として「アンドレ編」が登場した。13年、14年には、宝塚歌劇100周年を記念して新たなバージョンが作られるなど、今後も進化を重ねつつ歌劇団の歴史の節目を飾る作品として生き続けるだろう。