明治以来、日本の演劇人にとって悲願だった国立劇場が開場したのは1966年。東京・三宅坂にある校倉造りを模した建物には、大小の2劇場があり、歌舞伎・文楽をはじめとする伝統芸能の上演と調査研究に努めてきた。養成事業においては各部門を支える人材を育て、伝統の保存に大きく寄与した。同所には79年に国立演芸場も開場。83年には東京・千駄ヶ谷に国立能楽堂が開場した。84年、大阪に国立文楽劇場、97年に新国立劇場、2004年に国立劇場おきなわと続き、現在六つの国立劇場が存在する。03年に設立された独立行政法人日本芸術文化振興会は、国立劇場の運営にあたるほか、政府・民間から出資された約653億円の芸術文化振興基金による各種助成も行う。