1985年結成の劇団。作・演出の倉田淳以外はすべて男優で構成される。96年に、萩尾望都作「トーマの心臓」の舞台化で成功を収めて以来、小説や漫画を原作とする文芸耽美路線で女性を中心とした多くのファンを集める。女性の役も男優が演じるため、歌舞伎や宝塚歌劇と対比されることもあるが、作品や役の解釈に基づく自然な感情の表現と洗練された美意識を融合させつつ、非日常の世界に見る者を誘い、虚構の中にドラマ性を浮き立たせる舞台作りが特徴で、シェイクスピアや現代の外国演劇にもレパートリーを広げている。個性の発露による演劇のライブ性の実感をめざして公演は常にダブルキャストで臨み、より広い劇的世界の展開のため異なる作品やバージョンを並行して上演することもある。