京舞井上流の家元名。四世(1905~2004)は、本名、片山愛子。12歳で三世の内弟子となり、厳しい修業によって折り目正しい芸を受け継いだ。祇園の座敷芸として受け継がれた井上流であったが、四世は「都をどり」の振付を長年手がけるかたわら創作にも取り組み、京舞の存在を全国に知らしめ、舞踊界を代表する一人となった。1990年に文化勲章受章。長男は能の人間国宝で文化功労者の九世片山九郎右衛門(片山幽雪 1930~2015)。2000年、孫の観世三千子に五世(1956~)を継がせて、自らは井上愛子を名乗り、04年3月19日98歳で世を去った。