1934年11月16日生まれ。人気テレビ番組「ひょっこりひょうたん島」の脚本を手がけた後、数多くの戯曲、小説を発表。72年の岸田國士戯曲賞、直木賞をはじめとして受賞多数。2003年、日本ペンクラブ会長、04年文化功労者。小説・童話・随筆などの著作は膨大な数に上るが、戯曲も多数発表し、その質、量ともに戦後の日本演劇を代表する劇作家の一人と評価されている。初期はテアトル・エコーと関係が深く、1981年には自らの戯曲を上演する劇団として「こまつ座」を設立。幅広いテーマを扱いながら、せりふと音楽、作劇法を自在に操ってエンターテインメント性とメッセージ性を兼ね備えた独特で濃密な演劇世界を展開した。国語問題、憲法問題などに関しても積極的な発言を行い、そうした問題意識を巧みに劇化した作品も多い。新国立劇場中劇場のこけら落とし公演に書き下ろした「紙屋町さくらホテル」や、晩年の「東京裁判三部作」などには、戦争責任に関する鋭い問題提起が読み取れる。他に代表作として「日本人のへそ」「雨」「頭痛肩こり樋口一葉」「父と暮らせば」「組曲虐殺」など。2010年4月9日死去。