兵庫県認可の各種学校。1918年設立の宝塚音楽歌劇学校が前身。46年現在の校名になる。入学できるのは15歳から18歳の女子に限られ、1学年の入学人数は40~50人。入学試験は、従来1次から歌唱・舞踊などの実技が必須であったが、2009年に変更され、1次面接、2次実技、3次面接・健康診断となっている。2年制で、1年次を予科、2年次を本科と呼んでいる。カリキュラムは、音楽・舞踊・演劇の各分野にわたる実技科目がほとんどで、授業ばかりでなく、上下関係や躾(しつけ)の厳しさでも知られる。卒業生は宝塚歌劇団に入団し、その時点で研究科1年になると考えるので、タカラジェンヌが常に生徒と呼ばれ、在団年数に応じて研1、研2、研3…などと称するのは、これに由来する。つまりこの学校の卒業生以外、宝塚の舞台に立つことはできない。宝塚歌劇団の創始者である小林一三は、「校長先生」として慕われ、生徒たちを実の娘のように愛した。舞台人にふさわしい技量とマナーと精神を身につけると同時に、芸能者に対する差別の根強かった時代から、劇団員の保護・教育と社会的認知を学校制度によって実現したのは、小林の慧眼である。