江戸時代、江戸や京都の役者が大坂の劇場に出演する際、京都から水路を使って乗り込み、道頓堀で一座の披露をする習慣があった。大正時代に断絶したのを、1979年に17代目中村勘三郎らが復活させ、以後大阪の夏の風物詩となった。何艘もの船に幟(のぼり)や提灯(ちょうちん)を立て、紋付袴または浴衣姿の役者衆に囃子方(はやしかた)も加え、文字通り鳴り物入りでにぎにぎしく乗り込む。最近では2013年5月29日に、「二代目市川猿翁四代目市川猿之助九代目市川中車襲名披露六月博多座大歌舞伎」を記念して、船乗り込みが行われた。